過去の網状言論Ｆ改（東浩紀編著）に関するネット上の言説たち

過去の網状言論Ｆ改（東浩紀編著）に関するネット上の言説たち

2003年1月分

2003/01/31

03/01/27
　SFMに自分の写真が出ていて驚く。た、巽せんせぇぇぇ～～。
　ということでSFM読んだり、「ジャングルの国のアリス」読んだり「プラネテス3」読んだり「網状言論F改」読んだり「L文学ブックガイド」読んだり「私の…メガネ君」読んだり、という話もしたいんだよう。網状言論におけるおたく女の扱いは（やおい呼ばわりはともかく）全体的にどうよ、東さんの暴走を小谷さんが支えきれなかったのか？　とか、プラネテス星雲賞帯付きだけど内容はオレ好みじゃ全然ないねとか、「真空ダイヤグラム」はジーリークロニクルの2巻（「プランク・ゼロ」の続き）なんだけど、バクスターらしいすげーでけー嘘に彩られた絢爛な短編集なのだけど、とにかく解説の林譲治さんがいけてる（例・ディケンズ自身の少年時代も重力定数以外は「天の筏」の主人公リースと似たようなものだったらしい。以上ハヤカワ文庫真空ダイヤグラムより引用、とか。もう読みながら吹いたね。最高）、そういう話もたまにはしたかったりしているんです。

2003/01/30

カンタン系[改訂復刻版]

●2003/01/25(Sat)
　東浩紀×上田紀行の講演会は、遅れて到着してしまった。あとで聞いたところ、Ｋさんもまた、僕と同じように講演会場を誤ってしまい、遅れて到着したそうだった。Ｋさんも僕と同じく、朝カルからのハガキを受け取って、唐突に講演会に出向くことを決意したという。Ｋさんは、ドゥルーズについて研究をしている大学院生で、僕と知り合ったのは丁度４年ほど前だった、そのころはお互い大学生だった。
　そのころのＫさんは、推理小説に詳しく、かつは独自の京極夏彦・森博嗣論を持っていて、それが結局京極夏彦を僕（や周りの人）が読むキッカケになったことを、よく覚えている。そのＫさんが、今日東京工業大学にいたのは、本当に懐かしかった。

　会場入場の手続きに面倒があったため、開始時間が遅くなったという東浩紀と上田紀行の講演は興味深かった。興味深かったのは、おそらく講演の本論に入る前段でオタクに関する議論を封印したことにあったと思う。貧乏な時代のための思考をする東浩紀、であるとか、貧乏な時代に対応できるポストモダンの思想（このようなことを東浩紀は４年ぐらい前から主張しているわけでもあるし）があることも知っている東浩紀の、「オタク論」以外の側面が見えたので、よかったのではないかなあ。あと、僕が数日前に書いた「癒し」がテーマでは無かった。それは僕の勘違いだった。睡眠時間を削っていると、こうことをしてしまう格好のパニック症候群的なミスではあった。

　いまの疲れている僕には、今回の講演会を総括しようとする意志が欠落している。欠落しているけれど、講演会の特徴を何とか何かを口にしようとすれば、それは「資本主義」というものの厄介さ（というか、それを乗り越えられるという考えが通用しない現実）に認めようとしていたことであると思う。結局は、「資本主義」という回路が、システムがあって、そのシステムを無視した空理空論は罷り通らない。そんな当たり前のことを認識し直そう、という感じだった気もする。いや、これだけではなかったけれど。でも、その場の誰もが、東浩紀が始めたこのカネの話のリアリティには打ち勝てなかった。そのことから僕は、中村光夫が太宰治が死んだときに書いた文章を思い出し、蓮実重彦がその文章を引きながら『風俗小説論』を薦めていたことを思い出した。

　講演の最後は、観客からの質問となり、東浩紀から「文化」に対する言葉を、思いもよらぬ形で僕は聞くことになった。「文学」であるとか「文化」に対して日本は需要などほとんど存在せず、「文化」に群れてゆく言葉しかなく、その結果インターネットがいくつかの文化に取って代わったように、コミュニケーション、そのことにしか興味が無かったではないか。そしてそれ以前は文化のグラデーション（様々な意匠）があり、自己と他者の差異化を図る上でのコーディネートの１つとしてその意匠の差異化を競うことばかりであった。そのような日本の貧困（と書いて良いのだろうか）を東浩紀が述べえた時、誰もが落ち着かない気分になったと僕は思っている。

　僕にとっては、耳に痛い言葉ではあった。できることなら、僕の書く言葉が単なる自己の何かに対する擁護のみになっておりませんように、と思った。僕は僕が思うほど僕の言葉にすら向き合えていないとも限らず、すれ違いを起こしてもいそうだから、そのように思った。
　それにしても、「貧困」とともに僕に気にかかっている「村上春樹」について、もっと話を伺いところではあった。「若者論の現在」について議論が交わされた会場で、「さっきの青年」という、その場限りの名前を持った人間としては。若者に読まれ続ける「村上春樹」という存在について、若者が文章を書き始めるのに絶大なる参照先となっている「村上春樹」について、そしてそれ以外もすべて引っくるめて。「村上春樹」への無関心の告白としてではなく、そうではない言葉を僕はもっと喋るべきだし、喋りたかった。

2003/01/29

膨満館日乗2003-1 　　　　　　　　　　　　　　　（メールによるサイト情報提供に感謝します）

１月２２日（水）　「Buzzy Road」

　東浩紀編著『網状言論Ｆ改　ポストモダン・オタク・セクシュアリティ』（青土社　￥１４００＋税）読了。Webでの議論→シンポジウムを受けての（とりあえずの）総括本。東氏の前著に抱いたものとほとんど同じではありますが（2001/11/29付け当欄参照）、オタクってやっぱりそんなにすごい＜問題＞なんだー、というのが率直な読後感。いや、別に茶々を入れようとかいうのではなく、「オタク論」を展開しようとするのであれば、間口はもっと広くしておけばいいのになー、というレフトスタンド観覧席からの感想なわけですが。
　例えば、「いままでの日本の文化研究者が、オタクという存在にほとんど注目してこなかった（・・・）その結果、いまだにオタクに関する言説は、オタクというのは性的に保守的で、家父長制的で、成人女性と結婚できないからロリコンマンガを描く、みたいなステレオタイプに押し込められている」（ｐ２０６）ってな苛立ちには一面で共感するところはあるものの（でもホントにそんなアホなことを言ってる文章、私は活字では見たことありませんが）、「オタクをめぐる言説」を、批評家とか研究者とか業界関係者といった立場の人たちの発する「（きちんとした）論」に限定しているような感じがしてならないわけです、正直なところ。精神分析とかジェンダー論とかの「学術的」知見による切り込みが有効な部分とそうでない部分があるからこそ、＜オタク＞ってものは語るべき価値があるんじゃねーすか？とか、そういう「囲い込み」もまた＜オタク＞なる存在の現代的な有り様のひとつの効果として考えることもできねーすか？とか思ったものですから。こういう苛立ちは（動機としてはあってもいいと思いますが、かくも大雑把に表明されてしまうと）かえって氏の目指すオタク論なりポストモダン論なりの射程を狭めてしまうように思われ。
　その点で、同書所収の伊藤剛論文「網状の言論を解きほぐしていくこと」は、東氏と斎藤環氏との“対立”によって見えなくなってしまう＜オタクを／として語るわたし＞をめぐる「問題」に対する真摯な内省として示唆に富んでいます（拙論を取り上げてもらったことへの「返礼」ではありません：為念（笑））。ただ一点、「オタクの人々は、もっと自己の、固有の世代的な体験を語るべきだし、自分語りをするべきだ。オタクには、決定的に自分語りが足りないとすら言える」（ｐ２３３）という指摘は、あくまで後段の現状認識のみにとどめておいた方がいい（＝前段の「べき」をあまり強調しない方がいい）と思いますた、上記コメントと似たような観点から。別にコミケやアキバに集まるにーちゃんねーちゃんの首根っこつかまえて「おめーらどーゆーつもりでこんなもん描いたり読んだり遊んだりしてんだよー」と尋問（インタビュー）することですべて明らかになるってものではなく（それが無意味なわけではないのは当然にせよ）、「否認」や「（過剰なまでの）自己の客観視」の語りの内に＜オタクとしてのわたし＞が漏れ出る様を掬い取ることはできるのでわ？とワケもなく楽観しているので。「喫茶店のおしゃべり」から始まる村上知彦的な＜わたし語り＞をオタクたちが避けているとして、それがオタクたちの実存ゆえなのか、それとも愛好対象の特性ゆえなのか、はたまた当時と現在とのコミュニケーション・スタイル（「好き」の表明の仕方）の違いゆえなのかは、そう簡単に解きほぐせない絡まり合いをしているような気がします。
　余談ながら。巻中で東氏・斎藤氏と鼎談している小谷真理氏、なんだかとっても（・∀・）ｲｲ!!です。見直しますた、いやマジで（笑）。「テクハラ」本のときのムリして息巻いてる感が全くなく、SF、そしてやおいを追いかけてきた体験をリラックスして語るとこんなに面白いこと言うんだなー、と。あと、「八〇年代のオタクの同一性とか、九五年を境としてオタクの同一性が崩壊したという話は話としては面白いと思うんだけど、それはポストモダンの語り方がそのようになっているから、そう見えているということではないかな。つまり、語り方としては、オタクという現象とポストモダンという現象がとってもパラレルであると言うわけよね」（ｐ１６０）というまったくもって身も蓋もない（笑）指摘に東氏が「どういうことですか」と一言問い直すやりとり、びみょーに殺伐としていて（笑）これもとっても（・∀・）ｲｲ!!です。
　さらについでながら、小谷氏の「東くん」呼ばわりにはちょっと萌え（爆）

業務籠中記　　　　　　　　　　　　　　　（メールによるサイト情報提供に感謝します）

2003年1月16日(木)
やおい中村君
　♪ちょいと待ちたまえ、いくらコミケの直前だとて、伝書鳩でもあるまいものを。
　ちなみにある学者によると女性のオタクの総称を「やおい」というのだそうである。うーむ。何だか狂った骨董屋が素人客に永仁年間の古瀬戸を「唐九郎の真作です」とか言って売りつけているみたいにファンタスティックだ。

2003/01/28

白黒学派

平成１５年１月２７日　月曜日　現実と象徴と想像と

■東浩紀編著『網状言論Ｆ改』を読んだために、気になって斎藤環『文脈病』を鞄に放り込んで会社へ。ラカンは難しい。「「メタ言語」は存在しない」なんていわれてしまうと困ってしまいます。なるほど、去年の「広告批評」に掲載された斎藤環の記事に感じていた違和感の原因がなんとなくわかりました。

お豆のカレー

▼〔Book〕『網状言論Ｆ改』

東浩紀編／永山薫〔ほか〕
『網状言論Ｆ改ポストモダン・オタク・セクシュアリティ』
(青土社・2003.1・\1,400+税　B6判 / 260p）: 【書誌情報】〔amazon〕〔bk1〕

　【網状言論たち】

　『第2の創造〔bk1〕』の合間に読んでいるんですが、「オタク論」と言われてもよく判らないのは私に現代思想の知識がなさすぎるためか。でじこに萌えるのと、私が【たれぱんだ】に萌える(?)のとの違いはそこにセクシュアリティが介在するからか。たれぱんだに女の子はいないのかぁー、というのはすれ違い。

　最近、『動物化するポストモダン』で【Google検索】してくる人が多いのだが、再び話題になっているんでしょうか。

(2003/01/15 22:14:50)

　一応、読了。やっぱり噛み合ってない議論が延々続いているような……。オタクは、ジェンダー・パニックを抱えてるだの、トラウマだの、一種の神経病者だの、えらい言われようなんですが、と苦笑してみたり。うーん、マスで語るというか類型化?論みたい。

カンタン系[改訂復刻版]

●2003/01/18(Sat)
　東浩紀に対する批判を、山形浩生は書かない方が良いと思う。
　東浩紀を批判するのに、唐沢俊一の言葉を引いてくるのは、やめたほうが良いと思う。ほんとう。高山宏への批判を長々と書いた人が書くことじゃないと思う。傍証的なことや索引的なことを延々と並べる、または繋げる。そんな高山宏の知識のあり方の限界を指摘した人がやるこっちゃないと思うのだけれど。

●2003/01/13(Mon)

ところで、会社の帰り道に東浩紀『網状言説F改』（青土社）を買った。
　この本は、これからの世の中を考える大枠を、マンガとかそういうオタク文化を通じて語っている。たとえば、この中で取り扱われている「アメリカの影」という主題を復権したいという東浩紀の意見。
　この意見に関しては、戦後史研究の進行によってGHQの占領下政策の巧みさが見えてきて、日本が50年殺し（？）を掛けられていたのでは？という議論が出てきたりしているので、東浩紀が期待するように復権すると思う。友人が戦後史研究をしているので、日本共産党にアメリカが二重スパイを送っていた、なんていうのも最近判明してきている、という話も聴いてる。そういう話題が登場してきやすくはなっていると思う。
　しかし、この本は、そういう内容の理論的な側面はともかく、電車の中で読むのが、恥ずかしかった。なんで恥ずかしいのだろう。僕が感じる恥ずかしさこそ、もしかしたら論ずべきものなんだろうか。考えてみた。そうしたら、僕がオタクの世界で流通しているイモウトを気恥ずかしく思っているからだ、とわかった。ああいう、いるわきゃねえよ男性的な願望を一身に叶えたような甘えたがりのイモウトなんて、と思うようなキャラクター。あれやあれのセリフが書籍に載っているから恥ずかしいのだ、と思うことにしたが…うーん。嫌だとか、ムカつく、っていうのとは、また違うんだよなあ。
　大衆居酒屋で少女マンガを熱っぽく語り合ったのを、あとで冷静すぎるぐらいな目で思い返す…というのにも似てそうでいないと思うし、うーん。うまい喩えというか心境を表す言葉が思いつかない。
　ちなみに僕の胸を衝ったのは「もっと具体的に言えば、コミックスの10巻台あたり（笑）」という発言だった。他人はどうだろうと、僕はこの言葉。

泡沫の日々

1月17日
　東浩紀『網状言論Ｆ改』（青土社　￥1,400）
　日本のオタク文化を語る上で、オタク界内部からの評論だけではなく外部から客観的に評価するシステムを作り上げないと、という著者の思想は判らないでもないですが……
　東、斎藤環、小谷真理の鼎談とか読んでると「針の頭で何人の天使がダンスできるか議論している中世の神学者」の姿が浮かんできてしまうのはなぜでしょう。オレ頭悪いんでラカンとかデリダとか出されるとそれだけでワケ判らなくなっちゃうんだよ。もっとお母さんみたいにやさしくいってくれ。
　意外だったのは東にアニメや特撮作品をやたらとイデオロギーと結びつけようとする発言が目立つことで、いやそれ自体はかまわないけど、「『イデオン』のストーリーは冷戦構造のハルマゲドン思想そのもの」とか「『愛国戦隊大日本』はもともと戦隊ものが持っていたナショナリズムへの傾きを笑い飛ばしたもの」なんて言説がなんの証明もなしに飛び出してくるんで、ちょっととまどっちゃうんですよね。「冷戦構造のハルマゲドン思想」ってなに？「戦隊ものが持っていたナショナリズムへの傾き」って具体的にはどの部分いってるの？
　特に「（『魔女の宅急便』は）あれこそ90年代的な「萌え化」や「データベース化」を予言している…（中略）…それは、単純に、キキが黒服を着て赤いリボンを付けて猫を連れているからでしょう。それはいまのギャルゲーに連なる感性です」といった発言を聞くと、70年代生まれの彼との間に絶望的なギャップを感じてしまうのであります。というかこうやってオタクの黒歴史は捏造されていくのだなあ。別にキャラクターをきわだたせるアイテムやワンポイント、マスコットの付加なんて宮崎駿の発明じゃないと思うけど……『ミンキーモモ』とかの立場は？

2003/01/27

SHADOW Ver.6.1　戯言訥々

20030125
▼『網状言論Ｆ改』読了。

そもそもこの本が何なのかを理解するために読むべき本が多すぎて、
よほど『おたく言論』っていう不気味なものを好きじゃないとついていけないと思う。
その説明をせずに、過去の日記で、つらつらと意見を述べてしまったのは失敗だった。反省。

少なくとも『戦闘美少女の精神分析』と『動物化するポストモダン』という本、あとは『網状言論たち』というコンテンツ、
さらに『不過視なものの世界』や『郵便的不安たち♯』なんかも読んでいないと、
彼ら（特に東浩紀氏と斎藤環氏）が何でこんなことを主張し、議論しているのかさえ理解し切れないだろう。

さらに東氏と斎藤氏は現代思想の言葉を頻繁に使う上、その注釈が極めて少ない。
（永山薫氏の文章のみ注釈が多いのは、氏だけが読者に理解し易いようにと配慮した結果ではないかと推測する）

買ってしまった俺が言うのもなんだが、酔狂者以外が読んで得るものがある本じゃない。

各章ごとに感想を述べようかと思ったが、げんなりしてしまってとても無理だ……
個人的には、竹熊健太郎氏と永山薫氏の文章以外には得るものはなかった……
「おたくのセクシュアリティ」に対しての問題提示というのは面白いし興味深いが、
この本を読了した感想としては、ただただ問題を混乱させるだけに終わっているように思える。

特に後半にある鼎談はひどい。
互いの解釈を投げ合っているだけ、しかも言葉が足りないせいで極端な主張が多く、
本全体の質を下げているとしか思えなかった。

ただ東・斎藤両氏の主張の対立点が整理されたお陰で、のらりくらりとしていた東氏の立ち位置が多少はっきりした……
って、そんなもの、東浩紀氏の発言を追っかけている一部の人間にしか意味ねぇーーっ！

つд｀）しくしく……
2000年ごろに『広告』に載っていた両氏の文章は、新しい発見がいっぱいあったのになぁ……

これは、玄人にも素人にもオススメできない、東浩紀大好きっ子 or 東浩紀否定派向けの本。
ポップな表紙につられて買って、泣かないように注意しよう。

2003/01/26

ARTIFACT －人工事実－

［OTAKU］『網状言論F改』途中感想

　興味を持った部分から読んでいるのですが、竹熊健太郎氏のオタク密教話が面白かったです。オタクには密教と顕教があるという主張で、ネットの『戦闘美少女の精神分析』をめぐる網状書評にあった東－斎藤はなぜ噛みあわないのか？／「おたく」定義の混乱と「オタク密教」についての補足を発展させたものです。もっと発展させて欲しいと思うのですが、この話は竹熊氏が結構前から主張しており、TINAMIXのインタビューで第1回　アニメーション編／第2回　マンガ編／第3回　エヴァ編で相当語っているから、今更書くこともないんでしょうかね。このインタビューはオタク論に興味がある人なら必読。特に第3回は庵野論として面白いです。
　東浩紀氏、小谷真理氏、斎藤環氏による座談会は、自分がジェンダー論に興味湧かないというのを再確認させてもらいました。へーと思ったのは『愛国戦隊大日本』が当時のSFファンダムで「無神経過ぎる」と批判された話。70ヘーです。
　東氏のサイトで網状言論を読んで、それに興味を持ったら読むのが良いんではないでしょうか。ちょっとオタク論の本を読んでみようという人が、いきなりこれを読むのはつらいと思います。

heliotropism

1月16日（木）
『網状言論F改』に収録されている斉藤環「『萌え』の象徴的身分」を読んでいて、急に田村由美『BASARA』を読み直したくなった。つまり、斉藤環がいうところの「戦闘美少女」とは正反対の「戦う少女」の物語、という連想なんだけど。

2003/01/25

某所ログより

23:49:16 うっちー: そういや:
23:49:33 うっちー: 東君がらみで:
23:49:37 うっちー: http://www2.ocn.ne.jp/~schizo/ach0208.html#0801 な話が:
23:52:29 雪駄: 東君のデータベース云々は、少し前に唐沢とか歌舞伎系の人間に叩かれまくってたな、そういえば:
23:59:24 雪駄: http://home.interlink.or.jp/~5c33q4rw/nikki/2002_04.htm:
23:59:27 雪駄: の23とかか:
00:01:08 うっちー: ってか、これってまんま:
00:01:13 雪駄: http://plaza7.mbn.or.jp/~memo/nikki/nikki2002.5.htm:
00:01:28 うっちー: 第一世代と第三世代を巡る闘争のそのまんまじゃん:
00:01:48 雪駄: とか、えーと、どっかでまとめてたリンクで読んだはずなんだが、どこかわからん:
00:01:52 White_lwsn さんが名前を White_home に変更されました
00:02:27 雪駄: 書評系のどっかだとは思うんだが。有里さんあたりかなぁ:
00:03:40 (#網状言論F、という謎の言葉を放ってみる):
00:04:03 うっちー: どうせ誰も居なさそうなんで、あえて無視してみた:
00:12:58 雪駄: http://alisato.cool.ne.jp/diary/200205b.html#13:
00:13:04 雪駄: かな、多分、おそらく:
00:14:30 jes さんが入室されました
00:14:32 うっちー: ただ徒に無教養を責めるのもどうかとは思う:
00:15:32 うっちー: 構図が大学生の学力が落ちてきましたねぇ、とかいうのとまったく同じに見える:
00:15:53 (っていうか、それでいいやって思って書いてるフシが＞東ちん):
00:34:08 うっちー: : つーか、よそからもってきた枠組みに当てはめて何でも説明するなんて愚かしいことをいつまで続けるつもりですかね。:
00:34:28 うっちー: って、あんた自身が歌舞伎を持ち出しておいてそれはねーんじゃねーーか？:
00:36:01 うっちー: つーか、この人も東君も物事を一面でしかみていないということに関しては何も変わらんぞ:
00:40:02 雪駄: 二番目に出したリンクの11日がそこらへんから見てる人の意見:
00:41:21 うっちー: どこどこ？:
00:42:03 http://plaza7.mbn.or.jp/~memo/nikki/nikki2002.5.htm の5/11付:
00:42:39 うっちー: なるほろ:
00:44:31 うっちー: まあ、これはそこそこ妥当な意見だね:
00:48:46 うっちー: つーか、:
00:48:50 うっちー: : 確かに東を批判した両者はサスガに知識は豊富なんだけど、整理する枠組が不在のような気がする。:
00:48:55 うっちー: 私もそう思うなぁ:
00:50:05 ちうか、オタが学者のやることにケチつけてるだけっしょ。:
00:50:38 うっちー: まあ、そうともいう:
00:52:20 そのへん東ちんはいい感じで異邦人なので、神学者みたいな苦労をせんで済むってだけの話で。:
00:53:19 then-d さんが退室されました (Connection reset by peer)
00:54:47 うっちー: そもそも、何故アニメの話しか取りあえないのか、とか色々言いたいことはあるのだが:
00:54:49 雪駄: 罰が当たらないから:
00:55:02 うっちー: 取り上げ:

インタラクティヴ読書ノート・新本館（暫定）

やまがた　東くんはねえ　2003年01月16日(木)23時06分42秒

唐沢俊一の裏モノ日記の批判を真摯に受け止めろって感じ。

http://member.nifty.ne.jp/uramono/dialy/diary.html　1/15の記述。

それと、せっかくレッシグと話をする機会を用意してあげたのに、巽・小谷
方面への政治的配慮でそれを受け入れないというのも、もともとあまり高くな
かった評価をさらに引き下げるものではありました。それじゃもうただの
小利口な口舌の徒で終わりでしょう。もうダメぽ。

いなば　東浩紀『動物化するポストモダン』を読み返して　2003年01月16日(木)17時04分36秒

１８禁ゲームの最高峰とその名も高い『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』をやりたくなるが、９８を持ってない。９８エミュの使い方もよくわからない。
大体ゲームなんぞやる暇がない。

しかし、最近東の「大きな非物語」「データベース」論への批判を思いついたので、ちょっと気になるのだ。
やはり物語こそがもっとも効率的なデータベース構築エンジンなのではないか、とか。

Beltorchicca

2003/01/21 (火)
★そういやこないだ『網状言論Ｆ改』って本を立ち読みしたんだけど、冒頭いきなり「オタクの女版はヤオイである」とかなんとか書いてあってびっくりぎょうてんしたよ。私もガンダム本をコミケで売ったりするのでときどきオタクゆわれたりしますが、シャアとガルマのファックラキン大放送なんて想像したことないよ！あくまで壮大な人間ドラマとして愛してるんですよ！（ほんとよ！）
でもこれ書いてる人たちは、どうやら「絵に欲情する人たち」っていみでオタクという言葉を使ってるみたい。なるほどそれならそれの女版がヤオイというのも納得なのです。オタクと全然関係なさそうなレディコミの話もしてるし。でもそうゆう人たちを本来の意味でのオタク（＝「無駄な知識やモノを蓄えがちな人たち」）といっしょくたにして語ると、私が混乱したり、ふつうのオタクの人(1/15分参照）が怒ったりして大変です。だって世代ってゆうより人として全然別だもの。そこでですね、かつてデカルト、カント、ショーペンハウエルを愛読することでモテモテだった学生さんたちを「デカンショ」と呼んだ故事にならいて、デリダ、ラカン、フーコーの話をしがちな萌えの人たちを「デカンコ」と呼ぶのはどうでしょうか？　オタクと区別するために。そしたら無用な争いがなくなるでしょ？「デカンコはデータベース消費である」ってだれも反論できないし。しかしだれも理解できない諸刃の剣。

2003/01/24

遅れてきた青年

１月２３日
▽網状言論Ｆ
は、やっぱりまだ読んでいない。読んでコメント書くより、読まないまま他の人たちのコメントを見つつ、脳内エネミーと戦った方がよっぽど楽しい気がしてきた。
しかし書くほどに、自分には中核となる「好きなもの」そのものを語る能力が欠けていることに気付く。こんなことではカウンターというか反論のためのアジテータにしかなれないと思うと、ときどき布団の中で気が滅入ってしまう。審美眼も大切だ。
一つの断層が確実に存在していると思うのは、読書量という基準かもしれない。「パクり」がどうこう述べるのに批判的な意味を含めるのならば、少なくとも一つ目の原典くらい読んでおくべきである、という矜持は存在していたはずだ。しかし最近は「謎本」的アプローチが一般に拡散しすぎたように思う。
あくまでウェブだけについてであるが、ぼくより５～１０歳くらい上の人たちは、しばしば怖いバトルをしているように見える。一方自分は、同世代と公けにやりあった記憶があまりない。「バトル系テキストサイト」というのを見ることはあるけれど、やはり気迫が違うのだ。これはエグい、凄まじい、と思うようなバトルは、当事者がやはり年上の人だったりもする。その差が何から出ているのだろう。
「唯幻論」を学習しているぼくのＩＭＥ辞書は「網状幻論Ｆ」と変換するのだが、こっちの方が少なくともタイトルのインパクトは大きいと思う。